勾玉制作(合成オパール)

イシカツ!

さて、いよいよこのブログ初の勾玉制作、心の花を咲かせましょう

完全な板状、厚み、縦横比、もうこれ勾玉作るためにある石じゃんって感じです。

通常原石から作るときはこの状態にするまでに何日もかけて削ることもあります。

ではまず研磨機を使って大まかな形を作っていきましょう

間違えた

頭と足を想定して背中側のラインを作っていきます

裏表ともに表面に皮状の発色の悪い層があるのでそれを削り落としながら丸みをつけていきます

どうでもいい事ですがもう少し手を左にずらして後ろのサンシャインさんの顔が見えるとそっちにカメラの焦点が行ってしまいます、恐るべし顔認識機能。

次はルーターを使って腹側の凹みラインを作っていきましょう。

頭の丸さを崩さないよう慎重にルーターとヤスリで腹側のラインを作っていきます

円のテンプレートで丸さの確認、出来る限り正確な頭を目指します。

決まり事が有る訳ではありませんが私の美意識上ここを疎かにすると後で穴の位置が定まらなくなります。

表面の発色がイマイチなのでもう少し削ってみる

発色が良くなってきましたね

ただこのもう片面と同じくらいの光の粒の大きさになるまで削り込むのか悩みどころ

裏表違う顔ならそれはそれでヨシッと言う事でいよいよ穴あけに参ります。

濡れてると綺麗ですが乾かすと全くです、先は長い。

穴あけの印を付けます、ここから完全真剣勝負です

納得の位置に印を付けるまで何度でも描き直します。

目安は頭の円の完全な中心より穴半個下ぐらいです

人の目には胴体まで含めて全体で見た場合若干下寄りにしたほうが頭の中心に見えるのと

わずかでもズレた場合の見た目の許容範囲が広いと思ってます。

完全に円の中心だとわずかでも特に上にズレてしまった場合は全体の印象が変わるほどの削り直しが必要になって、キャラが変わります、あくまで私個人の感性の問題ですが。

頭の中心から顔(穴)の重心を下にずらしてSDキャラ的な安定感を求めていると言えばわかりやすいでしょうか。

まずは2mm玉ビットでいきます、必ず新品を使います。

絶対にケチってはいけません、一番良い状態で自分の選んだ石の顔とも言える穴に向かいましょう。

まずは初手は成功、周りを傷つける事なく印通りに穴の入り口を作れました。

youtubeとかでは初めからドリルビットの人が多いようですが

私が先ず2mm玉を使うのは、初手がブレにくい、深さ2mmまでは玉の方が早いという理由です。

玉の注意点としては穴の中をツボ状に入り口より広く削ってしまわないように気をつける事でしょうか

で、玉ビットで削れるトコまでいってドリルビットと付け替え・・・と

締めすぎてルーターのチャックが回らなくなったらコレ、ソフトタッチペンチ、必需品です、絶対必要です、必ず使います。

まぁマルチルータのチャックの寿命は意外と短いのでタダの消耗品と割り切ってガリガリに傷つけても構わないと言うなら普通のペンチでも問題は無いです。

とにかく穴あけは集中力です

どうすれば寸分の狂いもなく穴が開けられるのか

そんなもんこっちが教えてほしいわ

というぐらいすでに100を超える穴を開けた今でさえ分かりません。

ただただ集中力です、ルーターを持つ手と石を持つ手の位置を膝の上で固定して

他の可動範囲で石の真上や真横から見てドリルの垂直を確認する

ズレていると感じた時は穴の入り口にビットが触らないよう細心の注意を払って修正方向に力をずらす、

実際の作業は10数秒ドリルと穴の洗浄を交互に繰り返す。

石によってドリル一回分の長さは変わりますが、一気に長時間やると熱でドリルがへたれます

琥珀だと熱で石の方が溶けてドリルを抜いた時に糸を引いてモザイクが必要そうな絵面に・・・

それはそれとしてこの霧吹きは水が霧ではなく真っ直ぐ穴の底まで飛ぶように調節して使います

必ずこの調節機能があるかどうか確認して買いましょう。

コロナ初期に霧吹きが壊れて品薄で困りました。

繰り返しになりますがとにかく集中力が全てです、一瞬の気の緩みで穴の口を大きく削って歪めてしまう事もあるのです。

穴あけに約1時間半掛かりましたがずっと集中してました、

はい全く作業の写真を撮り忘れるほどに

うぇ〜い

無事貫通ぅ〜ドンドンパフパフ!

貫通した後だから言える事ですが多少ずれたとしてもそれはそれでそういうモノ、個性と思えます。

ただ絶対に初めにそんな事を考えてはいけません、形の残るモノをいい加減に作れば必ず後で後悔します。

勾玉は神器です、軽く言うなら縁起物とかまじないグッズとしても良い、そう言うものをいい加減に作って何の意味があるでしょうか。

というガチ話はさておき (ちょっとユリさんに引っ張られました)

穴の周りが変な欠け方をしないように慎重に整えていきます

これも写真を撮り忘れたのですが穴の中を棒ヤスリで整えます

もし裏表で穴がずれていたらこの時に不自然で無いよう修正します、これマジ大事。

穴の浅いところを圧を掛けながら磨く自作道具、スプーンになにか粒のクッションを貼り付けたモノ。

使える手を全て使い穴の奥まで磨く磨く。

穴の研磨はその都度その石にちょうど良い道具を自作するものだと思ってください

「手段を選ぶなぁぁぁ!サーチアンドデストロイ!キズは皆⚪︎しだぁぁぁっ!」ぐらいの気持ちで磨きましょう。

話は戻りますが玉ビットで穴の中を広く掘ってしまったときはこの穴磨き作業で苦労します。

さていよいよ全体研磨、大理石用研磨パットを使います。アリエクスプレスの通販です。

一般的にはサンドペーパー1000番、1500番で磨いて酸化セリウムでも良いのですが

効率的にも仕上がり的にもこちらが格段に上だと思ってます。

先ず800番で全体を磨くと少し光沢が出てきますがこれで消えない成形時についた深いキズがくっきりわかるようになります。

そのキズをこの固いダイヤ研磨パット1000、2000、3000番、腹側は細かい棒ヤスリで削ります

ピンポイントで狙ったキズを落とすのに使いますがいくら番数が高くてもこれだけでは光沢を出すことは出来ません、必ず上記の研磨パッドと併用します。

これは量販店や工務店にあることもあります。

アリで探すなら宝石加工道具以外にもナイフのメンテ用品でも勾玉向きなダイヤヤスリが多いです。

この作業を番数を上げながら肉眼で見えるキズが無くなるまでやります

ここでもキズは「サーチアンドデストロイ」必ず殲滅しましょう

説明が難しいのですが何故か消えにくいキズなどあればルーペなどで状態を見て対処しましょう。

いよいよ光ってきましたねぇ、あ、うっかりローアングルで撮っててすみません。

さて、満を持して投入、白い粉。

いやちょっと待って注射器とかなんですか、スプーンも使いません

健全な白い粉「酸化セリウム」です

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ちなみにこの注射器状のモノは信長書店で買いましたがナニに使うモノかは知りません。

自作の酸化セリウム専用ビット〜!

これに酸化セリウムを付けて磨きます。

初期は付属のスポンジ(ポリエチレンフォーム)で硯で墨をするような感じで磨いていましたがこれを作ってからは格段に効率が上がりました。

現在作り方は非公開ですがぶっちゃけ誰でも簡単に作れます

工程としてはこれが最後です。

実際の作業時間はここからも長くてキズが見つかってまた遡った作業をするのですが

とりあえず全体的な作業の流れはこんな感じという事でこれで完成という事にさせていただきます。

水晶なんかもほぼ同じ作業です。

全作業時間は約10 時間でした。

酸化セリウムは水に溶けないので石の裂け目などに入ったものは超音波洗浄機を使います。

では今回はここまで。

この合成オパールを買ったイノセ宝石(東京)さんに翌日この勾玉を見ていただいたところその場でスマホで動画を撮ってTwitter(X)にアップしたらそこそこ好評だったそうで大変有り難い事です。

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